Explanation眼の病気の解説
近視(きんし)
近視の人は、手元は良く見えますが、遠くはぼやけてしまいます。日本人に近視は多く、小学生の25%、中学生の50%が近視であるといわれています。
【近視とは】
図のように、眼に入ってきた光は屈折されます。網膜にぴったりピントが合っていれば「正視」、網膜より前方にピントが合ってしまうのが「近視」、網膜より後ろに合ってしまうのが「遠視」です。
どこでピントが合うかは、屈折力(光を曲げる力)と眼軸長(眼球の長さ)で決まります。屈折力が強ければピントは網膜の手前に来てしまいますし、眼軸長が長ければ、ピントが網膜まで届きません。前者を「屈折性近視」、後者を「軸性近視」といいます。上の図は「軸性近視」を表しています。
【近視の予防】
近視の原因は遺伝と環境が互いに作用しあっていて、まだ十分に解明されていません。本を読みすぎたり、ゲームばかりしていると近視を生じやすいといわれていますが、科学的には証明されていません。
近視の予防法も、科学的に証明されたものはありませんが、不適切な近方作業が近視を進行させる、という意見もあります。その点を踏まえ、以下のように生活を改善してみるのが良いでしょう。
- 読書や勉強は、正しい姿勢で、明るい所でしましょう。
- ゲームなどはやりすぎに注意して、時間を決めて行いましょう。
- 眼を使う細かい作業時は、ときどき眼を休めましょう。
【眼科での治療】
1.点眼薬による治療
近視の子供に対して、点眼薬を処方することがあります。これは眼を休める作用のある点眼薬で、人工的に遠くを見ているのと同じ状態を作り出します。
2.眼鏡はいつからかければよいのか
「眼鏡をかけないと近視が進む」「眼鏡をかけると近視が進む」「かけたり外したりすると近視が進む」など色々言われますが、どれも根拠のないものです。
したがって、眼鏡は日常生活が不便なら必要に応じてかける、と考えればよいでしょう。子供の場合、黒板が見えなければ眼鏡をお薦めしています。小学校低学年なら0.5程度、高学年なら0.7程度が目安です。座席を前にしてもらい、黒板が見えれば、もう少し待つことができると思います。