Explanation眼の病気の解説

網膜静脈閉塞症
(もうまくじょうみゃくへいそくしょう)

原因

網膜(ものを見る神経)の静脈がつまる病気です。
1番太い本幹の静脈が詰まれば「網膜中心静脈閉塞症」、静脈の枝が詰まれば、「網膜静脈分枝閉塞症」といいます。
50歳以上の人の片方の目に多く生じ、高血圧や動脈硬化が原因となる場合が多いようです。静脈本幹の閉塞では、網膜全体に眼底全体に出血がおこります。
枝の血管が詰まる「網膜静脈分枝閉塞症」では、詰まった血管の辺りにだけ眼底出血が生じます。

網膜中心静脈閉塞症
網膜全体に出血しています。
網膜静脈分枝閉塞症
写真の真ん中よりやや上に
出血があります。

症状

網膜中心静脈閉塞症では眼底出血や網膜のむくみが強いことが多く、急に視力が低下します。出血は半年から1年ほどで吸収されますが、網膜自体に障害が残るので、視力もあまり回復しないことが多くあります。
網膜静脈分枝閉塞症では詰まった血管の部位、程度のより、視力の低下は様々です。閉塞部位が中心から離れていると、気がつかない場合もあります。

治療

血管の詰まりがひどければ、レーザー治療(網膜光凝固術)を行います。特に網膜中心静脈閉塞症のうち、血管の詰まりのひどいケースでは、非常に難治の緑内障を合併することがあるため、レーザー治療は必要です。

発症早期には各種の飲み薬を使うこともあります しかし、一度わるくなった視力は、多くの場合あまり回復しません。